本記事では、独占禁止法の概要や、規制内容、独占禁止法に違反しないための注意点などについて解説します。
独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)は、取引で優越的な地位にある者が、自身に有利な取引を強要することを禁止する法律です。フランチャイズ契約においては、フランチャイズ本部が優越的な地位にあります。
独占禁止法の条文には「優越的地位の濫用」という項目があり、フランチャイズ本部が違反する恐れがあります。公正取引委員会は「フランチャイズ契約締結後の本部と加盟者との取引」に関するガイドラインを公表しており、優越的地位の濫用について以下のように解説しています。
本部が,加盟者に対して,フランチャイズ・システムによる営業を的確に実施する限度を超えて,正常な商慣習に照らして不当に加盟者に不利益となるように取引の条件を設定し,若しくは変更し,又は取引を実施する場合には,フランチャイズ契約又は本部の行為が独占禁止法第2条第9項第5号(優越的地位の濫用)に該当する。
引用元:公正取引委員会公式サイト(https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/franchise.html)
フランチャイズ本部が加盟店に対して、正当な理由なく商品や材料などの取引先を制限する行為は、独占禁止法で規制されています。本部の行為によって良質で適切な価格の商品の仕入れを制限する恐れがあるからです。
参照元:公正取引委員会公式サイト(https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/franchise.html)
加盟店が必要とする範囲を超えた仕入れ量を強制する行為や加盟店に無断で発注する行為も、独占禁止法で規制されています。
参照元:公正取引委員会公式サイト(https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/franchise.html)
売れ残り品の見切り販売を禁止・制限して廃棄を強制する行為も、独占禁止法で規制されています。本部が加盟店から、見切り品の値下げ販売で利益を獲得する機会を取り上げることになるからです。
参照元:公正取引委員会公式サイト(https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/franchise.html)
本部と加盟店が合意すれば営業時間短縮が認められる契約であるにも関わらず、売上ダウンなどの理由による営業時間短縮を本部が禁止する行為も独占禁止法で規制されています。例えばコンビニチェーンの本部が加盟店に24時間営業を強制する行為は、独占禁止法に違反する行為です。
参照元:公正取引委員会公式サイト(https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/franchise.html)
ドミナント出店をしない契約にも関わらず出店したり、契約に含まれていない費用の負担を強制したりする行為も禁止です。本部が新たな事業を開始するにあたり、加盟店に新たな事業への参加を強制する行為も、規制されています。
参照元:公正取引委員会公式サイト(https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/franchise.html)
公正取引委員会の公表しているガイドラインの内容を理解し、違反に該当する運営を避けることが重要です。また、フランチャイズの独占禁止法違反に関する事例などを調べて目を通し、自社で行わないように意識した運営を心がけましょう。
加盟店経営しやすい体制を整えることは、独占禁止法の違反を避けることにつながります。本部の利益を上げることはもちろん重要ですが、加盟店に負担がかかりすぎない運営体制を検討することも大切です。
フランチャイズ本部は、加盟者に対して独占禁止法における「優越的地位」にあたります。公正取引委員会のガイドラインによって、独立禁止法の規制対象となる行為が具体的に示されています。自社のビジネスモデルを踏まえた上で、独占禁止法を遵守してフランチャイズ本部を構築しましょう。
※2022/2時点公式HPより
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